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No.16 轟橋・出合橋

左:奥に見えるのが出合橋 右下:出合橋から見た轟橋

概要

 私は機会があるごとに森林鉄道に関する様々な資料や情報をあちこちで漁っているのですが、昨年初めに「熊本営林局管内概要・昭和十一年三月」と題する資料をみつけ、その中のある橋の写真に目が留まりました。

轟橋 「林道橋と運材・竹田営林署管内」というキャプションが添えられているもので、石橋の上に森林鉄道の汽車(ガソリンカー?)が写っています。竹田営林署とあるので、大分県竹田市周辺の森林鉄道に関する情報が得られてうれしくもあったのですが、それよりもこの石橋が思いっきり気になりました。私の素人頭では、鉄筋コンクリート造りでこの形なら理解もできますが、石橋としては非常に華奢に見えたのです。もちろん、石橋がアーチを形成することにより自立する構造であることは知っています。しかし写真のアーチはとても大きく開いたように見え、対して輪石(アーチを構成する石材)は小さく見えてなんとも頼りなく感じます。要石周辺の輪石はかなりの精度で加工されていなければアーチを保てないのではないでしょうか。

 橋上の汽車からおおよそのスケール感は得られると思いますが、アーチのスパンが長い上、極端に幅が狭く、さらにアーチ最上部の橋の厚みが薄いところなど“これでいいのか?”という感じがします。正直言って「よく崩れないな」と。気になったものの橋の名前や場所なども分からなし「もう残ってないだろ」と思っていました。ところが2005年6月に出版された「九州遺産」に、この森林鉄道の石橋が“轟橋”として紹介されていてビックリ。興奮気味で現地へ行ってきた次第です。

現役当時と現在の比較 この轟橋、昭和9年に竹田営林署が長谷川林道(森林鉄道)の鉄道橋として架設したもの。最近計測されて判ったらしいのですが、2つのアーチの内で大きい方が32.1mあり石橋としては国内最大“日本一”のスパンになります。どうりで素人の私が見ても他とは違う何かを感じた訳です(笑)。ちなみにすぐ下流に大正14年竣工の出合橋という石橋があります。こちらのアーチ径は29.3mあり“日本第二位”の大きさ。一位と二位の橋がここに並んでいるわけです。

 轟橋の袂には駐車場と東屋が作ってあり、簡単な解説パネルも用意されています。また橋を渡った対岸には川原へ続く小道がありますので、橋を下から見上げてみるのもいいでしょう。ただ周辺は道路も狭く、生活道として使われているので見学には注意が必要です。
  轟橋だけでも十分面白いものですが、やはり本命の森林鉄道が気になります(笑)。こんなに立派な橋が作られる路線ですから、長谷川林道は森林鉄道としても随分規模が大きかったと予想できます。

 
所在地
大分県豊後大野市清川町左右知
  
アクセス

  • 国道502号を「道の駅きよかわ」付近から県道410号へ入り南下。
  • 周辺道路は山道で狭いので注意が必要。
地図はコントロールボタン以外にもダブルクリックで拡大移動、ドラッグで移動できます。
  

関連リンクこちらのサイトで紹介されています

 
BMH
BMHさんのWebサイト。様々な話題を美しい写真で紹介されています。今回の物件は「石橋・アーチ橋」 > 大分県・清川村で紹介。
よかとこBY

膨大な数の九州の名所を紹介しているサイトです。
今回の物件は「轟橋」で紹介。

 

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