マップ 報告書 掲示板 リンク 雑記帳
このサイトについて お問い合わせ
 
Map一覧 > 前へ戻る / 次へ進む

No.17 丹賀砲塔砲台

左上:砲台上部のドーム 左下:砲塔内部 右下:遠景

概要
 九州と四国の間にある豊後水道の中で、最も水路が狭い部分に豊予海峡があります。この海峡に面した地域には明治から終戦までに、敵艦の侵入や攻撃に対抗するための砲台や堡塁などの要塞が数多く作られました。その中のひとつが大分県佐伯市鶴見にある丹賀砲塔砲台です。

 丹賀砲塔砲台は大正15年(昭和2年という説もあり)に起工。当時の技術では難工事だったといい、竣工したのは昭和6年でした。砲台に収まったのは、なんと巡洋艦の後部主砲。大正12年に廃艦となった巡洋艦「伊吹」のもので、口径30センチの二連装砲塔、射距離は26800メートルあったと記録されています。

 対米英関係が緊迫する中、昭和17年になり実弾試射をすることになります。しかしその日の試射の最後の1発が砲塔内部で暴発。砲室内にいた16名全員が即死し、周囲の施設にいた28名が重軽傷を負うという大事故になりました。砲塔内部のコンクリート壁に残る深い傷跡が、その爆発の激しさを今に伝えています。この事故により丹賀砲塔は、敵艦に向かって1回も砲弾を発射することなくその役目を終えることになりました。

 現在は“ミュージアムパーク・丹賀”の一部として一般に公開されています。上写真の右手が砲台入口、左手奥が弾薬庫の入口。砲台入口からは急角度の斜坑になっており、階段と併設されたケーブルカーに乗って砲台直下まで昇って行くことができます。入場料:大人200円・小人100円、年中無休。

 砲台直下の地下には動力室や冷却室などの各施設ごとに部屋が作られています。現在は機器類は全く残っていませんが、パネルによる説明や展示がされていました。丹賀砲塔砲台の周辺には鶴見崎要塞群と呼ばれるトーチカや小規模の砲台が多数残されています。岬からの眺めは大変美しいものですが、点在するコンクリートの遺構がかつての軍事的要所だったことを物語っています。

 
所在地
大分県佐伯市鶴見大字丹賀浦女郎崎
問い合わせ
大分県佐伯市役所
〒876-8585 大分県佐伯市中村南町1-1
電話:0972-22-3111(代表)
FAX:0972-22-3124(代表)
  
アクセス

  • 佐伯市市街地南部の国道388号より県道604号へ。ひたすら曲がりくねった海岸沿いの道を進みます。
  • 「マンガお笑い道場」で有名な富永一朗先生の作品があちこちに。
地図はコントロールボタン以外にもダブルクリックで拡大移動、ドラッグで移動できます。
  

関連リンクこちらのサイトで紹介されています

 
東京湾と津軽を中心に要塞を紹介されています。また要塞に関する解説やコラムもあります。今回の物件は「その他」 > 豊予要塞 鶴見崎地区の砲台群 で紹介。
 

関連図書こちらの書籍で紹介されています