熊本県南阿蘇村立野には、阿蘇カルデラを形成する外輪山唯一の切れ目があり、そこから流れ出る白川によって深い峡谷が作られています。その峡谷に第一白川橋梁という“国内初”の鋼製アーチ橋が架けられています。第一白川橋梁は、昭和2年に鉄道省大臣官房研究所の設計のもと“国有鉄道初”の鋼製アーチ橋として竣工しました。また架設工法も“国内初”のカンチレバーエレクション(両岸から作り始め、橋中央で結合する)という工法が採用。桁下約62mという高さも、旧国鉄高千穂線(現・高千穂鉄道)の高千穂橋梁ができるまでは鉄道橋として“全国一”。まさに記録づくめの橋なのです。現在、第一白川橋梁は旧国鉄高森線とともに、JR豊肥線立野駅から阿蘇郡高森町までを結ぶ南阿蘇鉄道となっています。
真っ赤な鋼製アーチ橋はとても美しい姿なのですが、残念ながら橋の両側はトンネルになっており、遠くからしかその姿を見ることができません。近付こうにも道はなく、両岸切り立った急斜面になっています。しかし南阿蘇鉄道に乗車すれば第一白川橋梁の上では徐行してもらえるので、たっぷりと橋を間近に見ることができます。(近すぎて全体は見えませんが・笑)
季節は限定されますがオススメは南阿蘇鉄道の名物トロッコ列車(11月〜3月は運休)。トロッコ列車だとそれほどスピードも出ませんので、鉄橋だけでなく雄大な南阿蘇の風景もゆっくり楽しめます。
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