JR豊肥線の立野駅を起点とする南阿蘇鉄道。その立野駅を出てから500メートルほどの所に架けられているのがこの立野橋梁です。国内初の鋼製アーチ橋である第一白川橋梁はこの数百メートル先にあり、どちらも鉄道省大臣官房研究所の設計により昭和3年に竣工しました。立野橋梁がわずかに先に完成し、第一白川橋梁の機材や資材の搬送に利用されたそうです。
立野橋梁は橋長138.7メートル、一番高い橋脚で34メートルとそれほど驚くような橋ではありませんが、眼下に広がる深い立野峡谷がその存在感を強調しています。そしてこの橋の見所になるのが、トレッスル脚と呼ばれる3基の橋脚部分です。同様式の橋脚を持つ鉄道橋は珍しく、ほかには兵庫県にある餘部橋梁が有名。しかし残念なことに餘部橋梁は近く取り壊され、コンクリート橋に架け替えられるようですね。
橋の下を道路が通っているので、色々な角度から橋を見ることができます。近付くこともでき、小さな部材をリベットでつなぎ合わせている様子もよくわかります。橋の下を通る太いパイプは九州電力黒川第一発電所の導水管。この発電所は大正3年竣工ですので、立野橋梁より随分昔からあることになりますね。4月〜10月は南阿蘇鉄道の名物トロッコ列車も通ります。トロッコに乗って立野橋梁と白川第一橋梁をセットで楽しむのもオススメですよ。 |